「大臣は酔っているのではないか」

 だが、誰一人、大臣に確認した者はいなかった。その代わり、「もうろう会見」などという曖昧な記述に逃げたのだ。

 じつはそれは危険なことではないか。

 記者たちは、小渕元首相の悲劇を忘れたのだろうか。倒れる直前の最後の会見で小渕氏は、言葉が紡げずに明らかにいつもの様子と違っていた。結果、脳梗塞で倒れ、返らぬ人となった。

「もうろう」というならば、中川大臣の身に同じようなことが起こっていなかったとも限らない。飲酒ならば理由は判明している。だが、国の代表が、意味不明の言動をしているのならば、そうした危険性を疑うのも記者の仕事ではないか。